朔の本
髙田正子句集『新装版 玩具・花実』(がんぐ・かじつ)
青麗コレクション1
発行:2025年1月11日
装丁:奥村靫正・星野絢香/TSTJ
新書判並製 168頁 初句索引付
定価:1980円(税込)
ISBN:978-4-908978-23-7 C0092
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〈涼しさや赤子にすでに土踏まず〉
俳誌「青麗」主宰・高田正子氏の第一句集『玩具』、第二句集『花実』(俳人協会新人賞)から、計400句を抄出した保存版。 20年以上の歳月を経て、今なお瑞々しい輝きを放つ『玩具』『花実』の世界。新シリーズ「青麗コレクション」第1号!
◆作品抄
『玩具』より
日だまりに鴨のあふれてたちにけり
遠花火氷の花のごとく果つ
いくたびも雛をつつむ灯かな
月光の扉は内へ開かれし
子のくるる何の花びら春の昼
『花実』より
土塊をちんとひねりし雛のかほ
亀の子のすつかり浮いてから泳ぐ
夕顔に月の光の襞生まれ
向きかへて梢に光る冬の鵙
流れたき形に水の凍りけり
◆「あとがき」より
『玩具』は私の第一句集です。東京での大学時代から就職、結婚、そして大阪へ転居して長女が生まれるまでの歳月を収めています。句集名は常におもちゃの散らかっている当時の環境からの思いつきでしたが、旧版のあとがきに「手放せないもの」というフレーズを見つけ、吾がことながら「吾が子」を見直す心になりました。(髙田正子)
<著者略歴>
髙田正子(たかだ まさこ)
1959年、岐阜生まれ。1990年「藍生」(黒田杏子主宰)創刊と同時に入会。
1994年、第1句集『玩具』、2005年、第2句集『花実』(第29回俳人協会新人賞)を刊行。
2014年に刊行した第3句集『青麗』で第3回星野立子賞受賞。
2024年、「青麗」創刊主宰。
俳人協会評議員、季語と歳時記の会理事、日本文藝家協会会員、中日新聞俳壇選者ほか。