朔の本
伊藤美惠句集『八ヶ岳真白』(やつましろ)

発行:2024年12月25日
        序文:宮坂静生
        装丁:奥村靫正・星野絢香/TSTJ
        四六判上製 256頁 
        定価:2750円(税込)
	        ISBN:978-4-908978-22-0 C0092
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立春前後の八ヶ岳は真白な雪に被われる。その八ヶ岳西麓に暮らし、凜たる山の雄姿に心動かされてきた著者の誠実で清廉な第一句集。「すべて、八ヶ岳に守られて私がある」――宮坂静生氏の言葉が作者の在りようを物語っている。「岳」同人。
◆帯文より
杜鵑草(ほととぎす)苦にもされずにありたきよ
作者は宮沢賢治が好き。地域での保健師の仕事はつねに地を這うように〈苦にもされずに〉住民の健康を支える仕事である。美惠の心情の深くに秘められた呟きなのであろう。八ヶ岳を仰ぐ地に居住する作者への私の信頼はこの一点にある。(宮坂静生)
◆宮坂静生選12句
夏の靄橅に抱擁さるる心地
			    杜鵑草苦にもされずにありたきよ
			    夫褒むること忘れゐて草紅葉
			    角ばりし心いつしかポポーの実
			    慕情とは秋の帚木ふんはりと
			    天に鳶縄文の地の草蝨(くさじらみ)
			    揺るがざる極月の八ヶ岳吾は微塵
			    大満月森の獣等眼をよせ来
			    餅切るや子は大人びてもの足らず
			    冴返る阿弥陀岳の天の深きかな
			    この鄙の土となる身や法師蟬
			    まなかひに八ヶ岳真白なり山の講
			  
<著者略歴>
		  
伊藤美惠(いとう みえ)
		    昭和20 年10 月、長野県諏訪市生まれ。 国立千葉大学医学部附属看護学校卒業。
		    国立千葉大学医学部附属病院第一外科勤務ののち、千葉県立保健婦学校に学ぶ。
		    長野県立豊野町役場保健師、茅野市役所保健師を務める。
		    平成10 年、俳誌「岳」入会、宮坂静生に師事。現在「岳」同人、現代俳句協会会員。


