朔の本

茨木和生句集『わかな』

発行:2023年10月1日
帯文:宇多喜代子
装丁:奥村靫正・石井茄帆/TSTJ
四六判上製 148頁
定価:2860円(税込)
ISBN:978-4-908978-94-4 C0092


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奈良大和を愛し、四方の山々を見つめ、季語の現場を歩き続けてきた茨木和生氏。にっぽんの自然と暮しの豊かさに満ちた俳句には、誠の心が宿る。前作『みなみ』に続く第17句集!

◆帯より

山桜雨をふくみて咲きゐたり

茨木和生は他のだれにもない和生ワールドを持っており、春夏秋冬に生じる大小さまざまなことやものに固有の詩心を募らせている。(宇多喜代子


◆自選12句

ぶつ切りにしたる猪入れ雑煮炊く
囀とならず鳥声移りたる
山桜雨をふくみて咲きゐたり
散りはじめたる樹もありて山桜
遺影ふところに茅の輪をくぐりけり
黄槿(はまばう)の花咲く家の前に住む
鮴汁の暮石好みの味といふ
雷や中上健次の夢に覚め
樹々の間の霧も流れてゐたりけり
千振の苦さ知る人誰もゐず
笑顔良き三人姉妹七五三
金目鯛かつて外道でありしかと


◆あとがきより

師と仰ぐ山口誓子先生が上梓された第十七句集を一つの大きな目標として、これまで作句に励んできた。句集の数としての目標は達成したが、同じく師と仰ぐ右城暮石先生が「一所懸命句を作り、一所懸命選句をし、一所懸命生きる」と言われたように、師に一歩でも近づいていけるよう、これからも力の限り作句に取り組んでいきたい。(茨木和生


<著者略歴>
茨木和生(いばらき かずお)
昭和 14年、 奈良生まれ。 右城暮石、 山口誓子に師事し、 平成3年、「運河」 主宰を右城暮石から継承。 
俳人協会賞(句集『往馬』)、 俳人協会評論賞(『西の季語物語』)、 俳句四季大賞(句集『薬喰』)、 詩歌文学館賞(句集『真鳥』)、 小野市詩歌文学賞(句集『熊樫』) など、 受賞多数。
現在、 「運河」 名誉主宰、 「紫薇」 同人。 (公社)俳人協会顧問、 大阪俳人クラブ顧問、 大阪俳句史研究会顧問、 日本文藝家協会会員。

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