朔の本

小泉展子句集『鵜ノ尾岬』

発行:2024年1月25日
序文:西山 睦
装丁:奥村靫正・星野絢香/TSTJ
四六判並製 212頁
定価:2200円(税込)
ISBN:978-4-911090-05-3 C0092


直接小社にお申込みいただくか、お近くの書店、
またはAmazonでのご購入が可能です。
詳細はこちらへ

▸小社から購入 ▸Amazonで購入

福島・相馬市の鵜ノ尾岬には阿部みどり女・只野柯舟の師弟句碑がある。東日本大震災で倒壊し、長い間立ち入りも禁止された。その句碑を修復し建て直したのが小泉展子さん、柯舟氏の長女である。「鵜ノ尾岬は私の俳句の原点」と、この地を集名とした。「駒草」同人の第一句集。

◆帯より

初夏の潮のひかり鵜ノ尾岬

娘をあたたかく見守った父親の思いに応えたのが
句集『鵜ノ尾岬』であると私は思っている。
鵜ノ尾岬に建つ阿部みどり女と
父只野柯舟の師弟句碑を標として、
これからも俳句人生を力強く歩まれるに違いない。(西山 睦


◆西山睦選12句

炎天の隅々までを草揺れず
白鳥の眼の黒々と東風吹けり
船影のふくらみ歪む遠花火
あたたかや歩けば心しなやかに
身の芯の屹と立ちくるかき氷
手拍子の涼しき「相馬流れ山」
大年の荒海五体揺さぶりぬ
黙禱を捧げてよりの祭かな
走り込む青年の息初ざくら
三月や花筒ひとつ海の辺に
潮騒の押し上げてゆく後の月
いつか忌の過ぎぞくぞくと曼珠沙華


◆あとがきより

句集名の「鵜ノ尾岬」は、相馬市の北東に位置し、東に太平洋、西に松川浦、遠きに阿武隈の山並が見える所にあります。東日本大震災で大きな被害を受けましたが、岬端には灯台が立ち、登り口には、阿部みどり女と父只野柯舟の師弟句碑が、津波の被害から立ち直り、たゆまぬ怒濤音を背にしっかりと建っています。鵜ノ尾岬は私の俳句の原点の地でもあり、四季を通じ、思い立っては出かける大切な場所となっています。(小泉展子


<著者略歴>
小泉展子(こいずみ のぶこ)
昭和21年、福島県相馬市生まれ。
昭和43年、「駒草」入門。二年間、阿部みどり女に師事、その後「駒草」休会。
昭和60年、「駒草」再入会。以来、八木澤高原、蓬田紀枝子、西山睦の三代の主宰に師事。
平成7年、「駒草」同人。
平成12年、俳人協会会員。
平成21年、第62回「駒草賞」受賞。
現在、「駒草」同人、俳人協会会員

ひとつ前のページへ戻る