朔の本
阿部怜児句集『天守』
			第52回埼玉文芸賞準賞 受賞!
		
	  
発行:2020年10月20日
			    帯文・序句:深見けん二
			    カバー写真:阿部浩一
			    装丁:奥村靫正/TSTJ
			    四六判並製 198頁 2860円(税込)
ISBN:978-4-908978-54-8 C0092
直接小社にお申込みいただくか、お近くの書店、
またはAmazonでのご購入が可能です。
詳細はこちらへ
父母を想う、其処に城あり
深見けん二氏を師とし、客観写生を貫く「花鳥来」同人の第二句集。句集に収めた8年の間に故郷・姫路に住む両親を看取り、情の深い句に鎮魂の思いが宿る。巻頭には師による「ふるさとに看取る父母城の秋」の序句が添えられ、一層あたたかい
◆帯文より
青空を埋め辛夷の重ならず 怜児
一緒に見た辛夷の句であるが、この句は真正面から詠んで成功した写生句である。この句集の期間、怜児さんは、故郷の御両親を看取られた中での作句で、情の深い句が多く、それは人に対しても、自然に対しても同じである。それを深めるとともに、私は怜児さんに掲句のような写生句も期待している。(深見けん二)
◆自選12句
散らばりて夕日の影を落椿
			    二つ目の鳴りてまさしく春の雷
			    もう母のまどろんでをり花疲
			    寄るほどに泰山木の花の照り
			    滴りや全山の音みなここに
			    太平洋ひと泳ぎして男去る
			    弟に先を越されし墓参
			    蟷螂の抱へ直して蜂を食む
			    吾が影の露に濡れたる草千里
			    夕焼のをさまり牡丹焚きはじむ
			    石垣にはりつき城の煤払
	      ダムの水豊かに湛へ山眠る
<著者略歴>
			    阿部怜児(あべ れいじ)
			    昭和24年、兵庫県神戸市生まれ
			    昭和48年、東京大学農学部卒業
			    平成4年、社内の俳句部に入会、深見けん二に師事
			    平成8年、「花鳥来」入会
			    平成16年、「青林檎」入会
			    平成24年、第一句集『橋』上梓
	      現在、「花鳥来」会員・編集委員、「青林檎」同人、俳人協会幹事


