朔の本
吉井たくみ著『鷹のつらきびしく老いて 評伝・村上鬼城』
第2回 稲畑汀子賞・奨励賞(評論部門)受賞!
発行:2023年9月17日
帯文:井上泰至
装丁:奥村靫正・星野絢香/TSTJ
四六判上製 288頁
定価:2750円(税込)
ISBN:978-4-908978-98-2 C0095
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「ホトトギス」の黄金時代を築き、境涯句を超えて真情の俳句を詠み続けた俳人・村上鬼城を今に伝える本格的評伝!突然の耳疾、貧困という苦難のなか、大須賀乙字・高浜虚子らの激賞を受け、俳句の才能を開花させた鬼城。鬼城と同郷の著者が先行の研究資料をつぶさに読み解き、鬼城俳句の本質と魅力を再発見する。
◆帯より
「煩悶」の時代の俳人鬼城の今日的意義を問い直す、本格的評伝!
苦難の厳しさの中から生まれる「誠実さ」こそが、鬼城俳句を生んでいく機微を、先行研究を丁寧に目配りしながら描き出した信頼できる労作。鬼城と同郷の筆者ならではの視点が随所に光っている。
井上泰至(日本文学研究者)
◆主な内容
Ⅰ 鬼城の境涯と苦悩
Ⅱ 「ホトトギス」と鬼城俳句
Ⅲ 豊かなる俳縁
Ⅳ 円熟期の鬼城
Ⅴ 鬼城俳句の真髄
Ⅵ 鬼城俳句鑑賞 三十句
参考資料 代表的俳人らによる鬼城および鬼城俳句論評
村上鬼城鬼城年譜
◆あとがきより
俳句というものは、万物との共生を前提とした文学である。また、短詩型という親しみやすく詩情性の高い芸術であるからこそ、多くの人に訴えかけ、これからの社会にも積極的にかかわっていくことができるのではないか。また、そうしていかなければならないとも思っている。そのためには、鬼城の俳句に対する姿勢、つまり、おのれ自身を厳しく律しつつ、対象物や社会に対して、それぞれの「真情」を追い求めていく姿勢こそが大いに参考になるのではないかと考えてみたのである。(吉井たくみ)
<著者略歴>
吉井たくみ(よしい たくみ)
本名、吉井巧。1960年、群馬県高崎市生まれ。農林水産省、内閣府、消費者庁等を経て、現在、一般社団法人日本即席食品工業協会専務理事。2013年より「阿蘇」入会、岩岡中正に師事。 2018年「花鳥来」に入会、深見けん二に師事。「花鳥来」終刊後、後継誌「初桜」入会。2023年、「櫻草」入会。日本伝統俳句協会会員、俳人協会会員。