朔の本
田口武句集『煙草』(たばこ)
発行:2024年7月24日
装丁:奥村靫正・星野絢香/TSTJ
新書判変型 並製 168頁
定価:1650円(税込)
ISBN:978-4-911090-13-8 C0092
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切字の全くない句集である。高校時代、鈴木石夫の「歯車」に入会し、句歴は五十年をこえた。文語と口語を駆使した巧みな表現、飄々とした詠みぶりに抒情と諧謔が交叉する。平成16年から令和4年までの作品から450句を収録。「歯車」「銀化」同人、20年ぶりの第四句集。
◆収録作品より
白鳥よ人間は寒がつてゐる
金魚から青空は見えるだらうか
戦争が終つたやうな枯蓮
水鳥を見つつもう一本煙草
元日が白紙のやうに昏れてゆく
うしろから私を撫でたのは柳
牛飼は詩を作る人夏木立
辛夷咲く兜太が与太と呼ばれし地
この辺で春にしませうかと風は
何かから蜥蜴はいつも逃げてゐる
泣き止むか氷菓が溶けてしまふのか
田圃には田植機の入口がある
◆あとがきより
高校生の頃から俳句を趣味にして五十年以上が過ぎました。
この句集は、学生時代の同級生や勤めていた頃の方で今でも交流のある方たち、普段俳句に興味がないだろう身近な方たちにも読んでいただきたいと思っています。その方たちが読んだときに、畑仕事や身辺のことを書いた句が多いので、句に書かれていることが全て私のことのように読まれるかも知れませんが、登場人物になり切った句もありますし、事実だけではなく創作もあることを書いておきます。(田口 武)
<著者略歴>
田口 武(たぐち たけし)
昭和29 年7月24 日生。
高校生の時に「歯車」に入会。
平成10 年「銀化」創刊第一号から入会。
「歯車」同人。「銀化」同人。現代俳句協会会員。俳人協会会員。