朔の本
西村和子句集『素秋』(そしゅう)
発行:2025年10月10日
装丁:奥村靫正・星野絢香/TSTJ
四六判上製本 210頁
定価:2970円(税込)
ISBN:978-4-911090-35-0 C0092
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前作から5年、「知音」代表による待望の第九句集!
本書には令和元年から6年までの369句を収録。「この六年は俳句への思いを確かめ、覚悟を固めた歳月であった」と西村氏。俳句と、真の仲間とともに歩んだ日々。人生の秋を深く見つめ、時に力強く、時に静謐に、豊かな余韻が胸に響きわたる一集。
◆帯より
夫を見送って二十年、私を生かし続けてくれたのは、
俳句と、真の仲間たちだった。
人生の春に出会った俳句だが、
今や人生の秋も深まったことを実感している。
その思いを句集名に籠めた。
(西村和子)
◆自選12句
湖へ巒気流るる草津月
衣替へて居職の心定まりぬ
袖通さざるままのちの更衣
初鏡齢に嘘はつくまじく
駒返る草やくるぶしふくらはぎ
子へものを書けば遺書めく夜の秋
そののちの秋速かりし長かりし
はつふゆと息吹くやうに独り言
愚かなる人類に年改まる
蛇衣を脱ぎ少年の声太る
冴返る我が身にいくつ蝶番
夢に逢ふ時は壮年明易し
<著者略歴>
西村和子(にしむら かずこ)
昭和23年、横浜生まれ。昭和41年、「慶大俳句」に入会、清崎敏郎に師事。
平成8年、行方克巳と「知音」創刊、代表。
句集に『夏帽子』(俳人協会新人賞)、『心音』(俳人協会賞)、
『椅子ひとつ』(小野市詩歌文学賞・俳句四季大賞)、『わが桜』ほか、
著書に『虚子の京都』(俳人協会評論賞)、『季語で読む源氏物語』『子ども
を詠う』『気がつけば俳句』、対談集『愉しきかな、俳句』など多数。
毎日俳壇選者、俳人協会副会長、国際俳句協会理事。