朔の本

杉山久子句集『栞』

発行:2023年9月1日
装丁:水戸部功
四六判セミハード装 236頁
定価:2860円(税込)
ISBN:978-4-908978-91-3 C0092


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早くから才能を発揮し、芝不器男俳句新人賞、山口県芸術文化振興奨励賞に続き、前作『泉』では第1回姨捨俳句大賞を受賞した著者。宇宙の中の一存在として詠み、しなやかで独創的な感性が煌めく注目の第四句集。

◆帯より

冬星につなぎとめたき小舟あり

過ぎてゆく日常に栞をはさむように句を作っているのかもしれないと、少し前から感じるようになった。
言葉にならないけれど言葉を取り巻くもの、言葉と言葉のあわいにあるものの輝きも、ともに受け取り、味わってゆきたい。(杉山久子


◆自選12句

産みたての卵雪降る街に買ふ
いちめんの雪いちめんの若き星
山羊の乳燦と泡立つ桜かな
熱の眼に桜あふるるあふるる光
亀鳴くや死の話のち湯の話
白きもの蟻にはこばれつつもがく
昼寝より覚め匿名のひしめく世
たてがみのしろがねを露こぼれけり
ミサイルが来る風呂吹に箸の穴
聖樹の灯人待つ人を照らしをり
同時代生きてくれたる海鼠に酢
凩や夢と悟りて夢の中


<著者略歴>
杉山久子(すぎやま ひさこ)
1966年、山口県生まれ。20代の頃から作句を初め、1990年「星」「藍生」入会。1997年、第3回藍生新人賞受賞。2006年に第2回芝不器男俳句新人賞、2013年に山口県芸術文化振興奨励賞、2016年に第1回姨捨俳句大賞受賞。句集に『春の柩』『鳥と歩く』『泉』、紀行文集『行かねばなるまい』などがある。俳人協会会員。

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