朔の本
寺田伸一句集『ぽつんと宇宙』
発行:2023年2月14日
序文:坪内稔典
栞:川島由紀子・小枝 恵美子・谷さやん・千坂希妙・芳賀博子・長谷川博・星野早苗・三宅やよい
アートディレクション:奥村靫正/TSTJ
デザイン:星野絢香/TSTJ
四六判並製 76頁
定価:1650円(税込)
ISBN:978-4-908978-83-8 C0092
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「僕は俳句に出会って人生が楽になり、楽しくなった」
重い障害を抱えながらも、毎月欠かさず句会に参加し、俳句を詠み続けてきた日々。句会で笑って、ちょっと泣いて・・・明るい孤独感を湛えた寺田伸一の世界。果てない宙を旅するように紡がれた105句が一冊に!
◆帯より
春の蚊のぽつんと宇宙物語
伸一はゆっくりとしか歩けないが、そのゆっくりが明るい。彼と出会った当初、私はその明るさに戸惑った。だが、すぐに分かった。僕は僕、君は君を貫いて、その互いの歩幅でこの世(宇宙)に触れればよい、と。私たちは宇宙的存在、その広い世界で僕と君である。(坪内稔典)
◆作品抄 12句
初詣僕の名前の犬に会う
春一番又三郎よマタサボロウ
桜餅「ほな」「ほな」言うたあれっきり
春の蚊のぽつんと宇宙物語
そら豆食べよ明日はできるさ逆上がり
爪切りと栓抜きは青夕端居
向日葵は余所見が苦手まるで犀
枇杷の種うしろめたくて僕になる
天の川僕らの化石さがそうか
秋時雨しゃあないやんか俺やもん
冬茜ムーミンパパも来て句会
冬薔薇無常ということあたたかく
◆あとがきより
「俳句」は僕にとって、大好きな「句会」に出る手段である。「句会」という世にも不思議な社交場が僕をとりこにしてしまったのだ。句会に出るということが文学的な行為かどうかは分からないけれども、句会において友は皆、素敵である。(寺田伸一)
<著者略歴>
寺田伸一(てらだ しんいち)
1962年生まれ。大阪市出身。
2002年から俳句を始める。
朝日カルチャーを受講したのがきっかけで、2015年3月、「船団の会」に入会。
2021年、第三回貞徳忌俳句大会「妙満寺賞」。
現在、「おおさか句会」「のべあ句会」に参加。