朔の本
浦戸和こ句集『起き臥し』
発行:2021年9月1日
装丁:奥村靫正/TSTJ
装画:山田開生/TSTJ
四六判上製クロス装 208頁
定価:2750円(税込)
ISBN:978-4-908978-68-5 C0092
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仕事を存分にやり終えてからの俳句入門。自然の声に耳を傾け、自我を観察し、豊かな経験に根ざした俳句は、軽やかな抒情性と諧謔味を併せ持つ。「月の匣」同人、第一句集。
◆帯文より
起き臥しは流れにもあり魂送り
和こさんの作風の根幹をなすのは、「起き臥し」という自己の実存感を突き止めた証としての俳句である。本書に収められた旅・景・食・家族・故郷・人生・病気等々、その全てが和こさんの「起き臥し」の詩といえよう。(水内慶太)
◆水内慶太選12句
個と孤とは不即不離なり水葵
声明の声蟭螟(せうめい)を飛びたたす
鬼灯や琉球ガラス泡かかへ
七彩の海白秋を染め上げぬ
浮島のやうにゆらぎて山椒魚
つなぐ手のいつか離かるる大花野
橋にゐて遠き橋見る秋の暮
塗椀に鞠麩のふたつ初雀
鶴頸に挿す水仙の矜持かな
自づから傷みゆく桃夜雨降る
鮎鮓や久しく聞かぬ土佐訛
捨てぬ荷と捨てられぬ荷よ鳥渡る
<著者略歴>
浦戸和こ(うらと わこ)
昭和12年9月 東京に生まれる
平成16年 水内慶太に師事
平成22年 「月の匣」創刊・同人
平成29年 「月の匣」水精賞
令和3年 月の匣賞受賞
俳人協会会員