朔の本
茨木和生句集『みなみ』
発行:2022年3月20日
装丁:奥村靫正/TSTJ
四六判上製 132頁
定価:2860円(税込)
ISBN:978-4-908978-76-0 C0092
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〈力の限り、俳に生きる。〉妻の死、コロナ禍… 苦難を超えて、いよいよ深まる句境。日本の美しい山を、水を、生き物を守りたい。長年、熊野や吉野を歩き続けた著者が、誠の心で自然と一体化した渾身の第16句集!
◆帯より
青空は動かざるもの山桜
東吉野村の天好園に樹齢300年になろうという山桜がある。植えた人の名にちなみ五郎宗(ごろそう)桜と名付けられたこの樹に出合い続けて半世紀。詠むほどに心惹かれる今生の桜である。――茨木和生
◆自選12句
独り食ふことにも慣れて泥鰌汁
沖遠くまで台風の濁りかな
鵙飛べり地にしつかりと影をひき
荷台より子供が下りて菌狩
熊鍋や山田弘子の話出て
賑やかなこと大阪の芭蕉忌は
山の日が土間に届けり飾臼
突つかかり来たり蝮の子なれども
網入るる出水隠れの鮎捕ると
山きはやかに深吉野の星月夜
内々といひて大げさ夢祝
魚うまし冬の潮を呑みたるは
<著者略歴>
茨木和生(いばらき かずお)
昭和 14年、 奈良生まれ。 右城暮石、 山口誓子に師事し、 平成3年、「運河」 主宰を右城暮石から継承。
俳人協会賞(句集『往馬』)、 俳人協会評論賞(『西の季語物語』)、 俳句四季大賞(句集『薬喰』)、 詩歌文学館賞(句集『真鳥』)、 小野市詩歌文学賞(句集『熊樫』) など、 受賞多数。
現在、 「運河」 名誉主宰、 「紫薇」 同人、 俳人協会名誉会員、 大阪俳人クラブ顧問、 大阪俳句史研究会理事、 日本文藝家協会会員。