朔の本
山田閏子句集『今日の風』
発行:2021年3月14日
序句・題字:稲畑汀子
挿画:深見龍子
装丁:奥村靫正/TSTJ
四六判上製クロス装 208頁 2970円(税込)
ISBN:978-4-908978-58-6 C0092
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日常をかくも鮮やかに掬い取る。
伝統俳句を代表する実力作家の第四句集!
蛇笏賞作家・深見けん二の主宰する「花鳥来」編集長として活躍する著者。「客観写生」「花鳥諷詠」の伝統に裏打ちされた確かな観察眼で、日常の景を鮮やかに掬いとる注目の第四句集。
高浜虚子『五百句』を思わせる濃紺の装丁に、稲畑汀子氏による序句・題字も魅力の一集。
◆帯文より
今日の風今日の太陽麦青む
長い年月は様々なことがありましたが、常に今日という日を大切に齢を重ねてまいりました。俳句に寄り添う時間が増え、充実した日々を過ごすことができるのも、師を信じ、俳句の力を信じて研鑽を続けてきたお蔭と思っています。(山田閏子)
◆20句抄
さりげなくはげます書信梅椿
ひとまはり違ひの姉と花衣
水色の空に触れたる峰桜
打水にふはりと蝶の浮き上り
紙魚の痕特攻隊の兄の遺書
去るにつけ風の紫菀の虚子山廬
まつすぐに落ちて木の実のひと弾み
長男の嫁は伊予より獺祭忌
おでん屋に前こごみなる背の並び
子と歩き母と歩きし落葉道
砕けたる冬濤へまた冬の濤
寒紅や普段着のまま今日も暮れ
<著者略歴>
山田閏子(やまだ じゅんこ)
昭和19 年、東京生まれ。昭和52 年、「ホトトギス」入会。昭和6 2 年 「ホトトギス」同人。「F氏の会」で深見けん二に師事し、平成元年、「花鳥来」に入会。
現在 「花鳥来」編集長、日本伝統俳句協会会員、俳人協会会員。
句集に『育みて』『向き合うて』『佇みて』、共著に深見けん二監修『虚子「五百句」入門』等がある。