朔の本

『稲畑汀子俳句集成』

発行:2022年5月
栞:宇多喜代子・大輪靖宏・長谷川櫂・星野椿
装丁:奥村靫正/TSTJ
A5判上製カバー装 576頁
定価:12000円(税込)
ISBN:978-4-908978-77-7 C0092


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日本最古の俳誌「ホトトギス」主宰を継承し、俳句に全身全霊を捧げた生涯。慈愛と明るさに満ちた天衣無縫の俳人・稲畑汀子の80年に及ぶ句業の集大成! 全5398句収録。

祖父 高浜虚子、父 高浜年尾に学び、48歳で「ホトトギス」を継承した稲畑汀子は、人間も自然の一部として詠み、現代の「花鳥諷詠」を実践、俳句を「共生の文学」へと深めた。
第一句集『汀子句集』から未刊句集『風の庭』まで全8冊、計5398句を収録。本書はこれからの伝統俳句の大いなる道標である。


人間の一生は短いようで長く、長いようで短い。
その中で俳句は私にとって全生涯の拠り所でありました。
――稲畑汀子(あとがきより)


【収録内容】
第一句集  汀子句集
第二句集  汀子第二句集
第三句集  汀子第三句集
第四句集  障子明り
第五句集  さゆらぎ
句集    花
句集    月
未刊句集  風の庭
補遺

句集解題……岩岡中正
汀子年譜……小林祐代
著者あとがき……稲畑汀子
後記……『稲畑汀子俳句集成』刊行委員会
初句索引/季題索引/著作一覧


◆20句抄出

今日何も彼もなにもかも春らしく (汀子句集)
この辺の景色となつてゆく芒 (汀子句集)
昼寝するつもりがケーキ焼くことに (汀子句集)
落椿とはとつぜんに華やげる (汀子第二句集)
長き夜の苦しみを解き給ひしや (汀子第二句集)
空といふ自由鶴舞ひ止まざるは (汀子第二句集)
一山の花の散り込む谷と聞く (汀子第三句集)
六甲の全景移る初時雨 (汀子第三句集)
この出逢ひこそクリスマスプレゼント (障子明り)
一枚の障子明りに伎芸天 (障子明り)
三椏の花三三が九三三が九 (さゆらぎ)
さゆらぎは開く力よ月見草 (さゆらぎ)
まだ誰も通らぬ山路朝桜 (花)
峡深し夕日は花にだけ届く (花)
月の波消え月の波生れつヽ(月)
深々と満ちゆけるもの月今宵 (月)
震災に耐へし芦屋の松涼し (風の庭)
これほどに役に立つとは秋扇 (風の庭)
一本の電話子規忌の供華のこと (風の庭)
過去未来そして現在霧去来 (風の庭)


<著者略歴>
稲畑汀子(いなはた ていこ)
昭和6年、横浜生れ。高浜虚子・高浜年尾のもとで俳句を学び、昭和54年、「ホトトギス」主宰を継承。57年より「朝日俳壇」選者。62年、日本伝統俳句協会を設立、平成12年には芦屋市に虚子記念文学館を創設し、伝統俳句の継承と普及に努めた。地球ボランティア協会会長他を歴任し、平成25年、「ホトトギス」を長男廣太郎に譲り名誉主宰となる。同誌は令和3年12月に1500号を迎えた。令和4年2月27日逝去。句集に『汀子句集』『障子明り』『さゆらぎ』『花』『月』ほか、著書に『星月夜』『風の去来』『定本 虚子百句』『俳句を愛するならば』など多数。

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