朔の本

𠮷澤利枝句集『奔馬の如き』

発行:2023年11月1日
序文:宮坂静生
装丁:奥村靫正・星野絢香/TSTJ
四六判上製 216頁
定価:2750円(税込)
ISBN:978-4-911090-00-8 C0092


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遠山陽子氏に出会い、俳句を始めた著者。大胆で粋な人柄は、富士山の見える静岡の旧家に育ったゆえか。「猪八戒」の渾名で親しまれ、年を重ねるごとに俳句の言葉を輝かせる。現在「岳」同人、第一句集。

◆序文より

奔馬の如き夫の生涯籠まくら

本来、俳句作りは地上三十センチほど上がった舞台でのパフォーマンス(芝居)に喩えられよう。しかし、利枝俳句は地べたの俳句である。舞台が地べたそのものだ。しかも、日常茶飯事のことばが利枝さんの心からの気合いによっていきいきと輝いている。(宮坂静生


◆宮坂静生選 10句

君の背は日向の匂ひ騎馬始
アカシヤの花の大連騎馬の夫
わが渾名猪八戒とや旱雲
七転びあとの昼寝の長きこと
虫干しの馬具一式に夫の名
蜩や老いて和顔施志す
みんなみんな死んじまつたよ葛の罠
我になき余生二文字鬼胡桃
気が付けば我は大婆藪柑子
手力男だつた貴方の皮手套


<著者略歴>
𠮷澤利枝(よしざわ としえ)
1934(昭和 9)年9月5日、静岡県生まれ。
1968 年 「鷹」入会、同人(のち退会)。遠山陽子に出合い俳句初学。
1974 年 「鹿火屋」、「富士ばら」入会(のち退会)。
1984 年 鹿火屋新治賞、新人賞。
2001 年 第一句集『鈴』(本阿弥書店)上梓。
2016 年 「岳」入会、同人 現在に至る。

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