朔の本

永田淳歌集『光の鱗』

発行:2023年2月4日
装幀:間村俊一
カバー写真:永田淳
四六判上製 208頁
定価:3300円(税込)
ISBN:978-4-908978-81-4 C0092


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歌人永田和宏・河野裕子の長男にして、青磁社代表の著者による最新歌集。「塔」選者に就任以後の445首を収録。選者として、一人の作家として、いま謐かなる湖へ漕ぎだす如く詠う注目の第四歌集。

◆帯より

雲の影ひとつを東に過ぎらしめ琵琶湖はただに光の鱗

一つだけはっきりしていることは、自分の歌を引き受けるのは自分自身しかいない、という当たり前のことである。(あとがきより)  


◆自選5首

楽しくて仕方ないぜという顔は猫より犬に多し 土手道
佐保姫が土筆を摘みてゆくごとき文選の業を動画に見おり
鮮やかな断面を見せその後は同じ顔ぶれの揃うことなし
乳房は不可算名詞か 雪の午後 かくなる言は人を傷つく
弾痕の美(は)しき花弁咲きおらん蛤御門にミャンマーの塀に


◆あとがきより

選者になってからほどなく、先達の選者である真中朋久さんから、私の月々の詠草をみて「そんな気の抜けた歌を作っていてはダメだ」といった主旨のメールをいただいた。その二、三ヶ月後、同じく先達の選者である池本一郎さんと編集会議をご一緒した際のトイレで、「ちゃんと毎月歌を出さないと駄目ですよ、楽しみにしてくれている人がいるんですから」とやんわり、こちらもまたお叱りを受けた。……私はそれ以降、このお二人の指摘を文字通り「金科玉条」のように大事にしてきている。(永田 淳


<著者略歴>
永田 淳(ながた じゅん)
1973年、滋賀県生まれ。同志社大学文学部英文科卒。
1988年、「塔」短歌会入会。2009年、第一歌集『1/125秒』に
より第35回現代歌人集会賞受賞。
歌集に『湖をさがす』『竜骨(キール)もて』、著書に『家族の歌』『評伝・河野裕子 たつぷりと真水を抱きて』ほか。
現在、「塔」選者。青磁社代表。

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