朔の本

中岡毅雄句集『伴侶』

発行:2023年8月7日
帯文:水原紫苑
装丁:間村俊一
四六判上製 164頁
定価:2970円(税込)
ISBN:978-4-908978-96-8 C0092


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山本健吉文学賞受賞の『啓示』から14年、待望の第五句集刊行。身辺の草木や小さな生き物に病の我が身を重ねながら、命の在りようを見つめる眼差しは静謐で、読むほどに心透き通る一集。歌人・水原紫苑氏推薦!

◆帯より

晩婚といふ寧けさよ虫時雨

伴侶という題名に相応しい、他者の全き受容の美しさを想う。この宇宙に、亡き母に、そして共に生きる妻に、衒いなく心を開いてゆく姿勢は、優しく静かな緊張感に満ちている。まさに今世紀の詩歌である。
水原紫苑


◆12句抄

崩れかかりし芍薬に蝶の影
水葬のごとく芒にしづみゆき
ゆふべまで臥してゆふべの鳰のこゑ
抱へきれぬほどの冬薔薇贈りたし
うつしみのこの世の花を見尽くさず
水引草いまはの際にこゑのなし
てのひらにすくへば落葉あたたかし
ゆふぞらにまた綿虫を見失ふ
すきとほるやうなにほひの雪兎
吾の眼に映れる汝やねこじやらし


◆あとがきより

『伴侶』は私の第五句集、約13年間の作品をまとめたものです。心の病を抱えながら過ごした日々、人生のパートナーを得て、俳句は一層生きる支えとなりました。(中岡毅雄


<著者略歴>
中岡毅雄(なかおか たけお)
昭和38年、東京都生まれ。波多野爽波主宰「青」を経て、「藍生」「椰子」入会。平成30年、今井豊とともに「いぶき」創刊。現在「いぶき」共同代表、日本文芸家協会会員、俳人協会評議員。句集に『浮巣』『水取』『一碧』(第24回俳人協会新人賞)『啓示』(第10回山本健吉文学賞)、評論に『高浜虚子論』(第13回俳人協会評論新人賞)『壺中の天地』(第26回俳人協会評論賞)、入門書に『俳句文法心得帖』がある。

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