朔の本
大久保文夫句集『風騒』(ふうそう)
発行:2024年9月25日
序文:村上喜代子
装丁:奥村靫正/TSTJ
装画:星野絢香/TSTJ
四六判並製 200頁
定価:2300円(税込)
ISBN:978-4-911090-14-5 C0092
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「いには」創立時からの会員として俳句を詠み続けてきた著者は、国内国外を旅から旅へと過ごすうちに、いつしか芭蕉に心を寄せるようになった。「地球儀を回しながら次は何処へ旅をされるのか」と村上喜代子主宰。生きた証を自問し、俳句に素顔を覗かせながら、大久保さんは今日もまた、旅へ出る。
◆帯文より
わが影を砂漠に置きし初景色
単なる旅行吟ではなく、その地に立った実感と感懐が伝わってくる。空漠と広がる砂漠に自分の影を刻印し、己を奮い立たせているようだ。日本に帰り着くと、また佐保姫を追いかけ、西行や芭蕉の後を追ひ、北へ南へ西へ東へと旅立つ。まさに風騒の人である。(村上喜代子)
◆村上喜代子選 10句
万緑の山を抉りて黒部川
マネキンの終の勤めの案山子かな
初明りものみな色を戻しけり
立山の雲の中なるお花畑
やあと云ひおうと応ふる年忘
荒行の大音声の凍てにけり
いつしかに桜隠しとなりし雨
逃水やつかみそこねし運の神
百代の過客のひとり初日浴ぶ
木菟鳴けば星の応へてまばたきぬ
<著者略歴>
大久保文夫(おおくぼ ふみお)
昭和12 年 東京市牛込区(現、東京都新宿区)弁天町生れ
昭和36 年 中央大学法学部卒業
株式会社日立製作所入所
平成10 年 千葉県生涯大学校俳句部入部
平成17 年 「いには」入会
現在、「いには」同人、俳人協会会員、千葉県俳句作家協会会員