朔の本
佐藤天津緒句集『どぐい』
発行:2025年9月1日
序文:村上喜代子
跋文:鈴木喬二
装丁:奥村靫正・星野絢香/TSTJ
四六判上製 168頁
定価:2300円(税込)
ISBN:978-4-911090-34-3 C0092
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北海道に生まれ農業を継いだ著者は、若き日に「氷下魚」「アカシア」で俳句を学ぶも一時中断、2014年に「いには」で句作を再開した。句集名「どぐい」は虎杖のこと。北海道特有の季語を詠み、厳しい自然と向き合う。余命宣告を受けてなお、いのちの限り詠み続ける渾身の初句集。
◆帯より
熊撃たれ死顔さらす枯どぐい
「どぐい」とは北海道の方言で「虎杖」のこと。風土を象徴する植物である。この句集には、北海道に生まれ育ち、厳しい自然と格闘しつつも自然を楽しみ、共に生きていく人の喜怒哀楽が刻まれている。まさに生きた証しの句集といえよう。(村上喜代子)
◆跋より
彼は、いま病の床にある。人生の集大成とも言える本句集によって、生き抜く力を得て、病を克服されることを切に願う。そして、北国の風土の中から生れた詩情豊かな作品を作り続けて行かれるのを心から祈っている。(鈴木喬二)
◆村上喜代子選10句
中天の月にきらめく流氷原
下萌えや仔牛と遊ぶ仔豚たち
羊蹄山裾に一望薯の花
この盆も生きてゐたかと笑ひあふ
初日影ニセコ連山威を正す
生くるものみな閉ぢ込めて吹雪く街
雪はねる妻に今夜は出前寿司
熊撃たれ死顔さらす枯どぐひ
冬の底生きた証しの句が欲しき
あと一羽白鳥発つを見てねむる
<著者略歴>
佐藤天津緒(さとうてつお)
1938 年(昭和13)7 月7 日、北海道稚内市にて出生。
20 歳の頃、伊藤凍魚主宰「氷下魚」に所属。
「氷下魚」終刊後、土岐錬太郎主宰「アカシヤ」入会。
2014 年(平成26)、村上喜代子主宰「いには」入会。
2017 年(平成29)、「いには」同人。
俳人協会会員