朔の本

谷渡 粋句集『微風』

発行:2023年3月2日
序文:檜山哲彦
アートディレクション:奥村靫正/TSTJ
デザイン:山田開生/TSTJ
四六判上製 210頁
定価:2750円(税込)
ISBN:978-4-908978-90-6 C0092


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能登の地に根差し、澤木欣一・細見綾子の師系に連なる「風」系俳人による第一句集。初期作品から現在までの俳句を俳誌ごとに収め、「手織り」と「田畑作り」に生きる著者が五感で捉えた伸びやかな佳品。

◆帯より

あめつちの陰翳翔ける大白鳥

『微風』には、全体を貫いて通る軸が二本、とはすなわち、大きな句の群れが二つある。ひとつは「土地交わり」の句、いまひとつは「手織り」の句である。「土地交わり」をさらに「田作り・畑作り」と「能登の地」とに分けるなら、三つの貌があると言ってもいい。(檜山哲彦


◆檜山哲彦選 10句

風を嗅ぐ水を嗅ぐ蛇穴を出て
ぼた海苔を炙れば能登の巖の香
さはやかに一本となる水の音
裸木をつつみ獣の臭ひかな
木の芽風ひよこの函の底に穴
いらんかいね瞳の青いこの仔猫
低頭を解き夏雲の行方かな
卵かけご飯八月十五日
大白鳥水の器に鳴き交す
筬音の二拍子春の遠からじ


◆あとがきより

ひとつひとつの思い出を纏めるつもりで、句集を作ろうと思い立ったとき、「風」や「大風小風」の仲間とは今も繋がりがあることから、ぜひ「風」の字を入れたいと思い、『微風』という題名に思いいたった。俳句と人とのあいだ、人と人とのあいだに通う、かすかではあるが、たしかで懐かしい風、という気持である。(谷渡 粋


<著者略歴>
谷渡 粋 (たにわたり すい) 本名 末枝
昭和23年 3月2日 石川県生れ
昭和53年 「風」入会
平成4年 「風」同人
平成14年 「風」終刊 「万象」創刊同人
平成21年 「りいの」創刊同人
俳人協会会員

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