朔の本

榎本弘光句集『鮎時』

発行:2023年6月1日
序文:西山 睦
装丁:奥村靫正/TSTJ
装画:山田開生/TSTJ
四六判上製 184頁
私家版(非売品)
ISBN:978-4-908978-92-0 C0092

句歴30年。多彩な趣味を句材に取り入れ、気取らない生活を軽やかに詠む「駒草」同人の第一句集。

◆帯より

頭に抜くる足裏の流れ鮎を釣る

集中には一泊吟行でご一緒した句がたくさんあり、懐しさで涙がこぼれそうになる。その中でも最も記憶に残るのは相模川の清流の里で詠んだ「鮎」の句群である。ゴルフ、畑、旅行、囲碁、盆栽と氏の守備範囲は広いが、鮎釣りの涼やかな時が、作者にふさわしい。迷わず集名とした。(西山 睦


◆西山睦選 10句

一畝を立てて一息鳥雲に
花疲れ他人の肩に起こされぬ
田植機を疏水に洗ふ日暮かな
姿無き落鮎を追ふ瀬音かな
着陸の窓にうつりし遠花火
良き事のありて気長に牛蒡掘る
ノーベル賞発表耳に秋刀魚焼く
米を磨ぐ水の冷たき妻の留守
成田発単身赴任子の五日
桃の日や半時早く人を待つ


<著者略歴>
榎本 弘光(えのもと ひろみつ)
昭和11年 東京都浅草生まれ
平成 6年 よみうりカルチャーセンター町田 西山睦教室入会 
     「駒草」入会 蓬田紀枝子前主宰に師事      
平成15年 「駒草」主宰交代により西山睦現主宰に師事
令和2年 第65回「駒草賞」受賞
現在、「駒草」同人、俳人協会会員

ひとつ前のページへ戻る