朔の本
『新装版 飴山實全句集』

発行:2026年1月1日
監修:大岡 信
編集:『新装版 飴山實全句集』刊行委員会
装丁:水戸部功
文庫判並製 400頁
定価:1760円(税込)
ISBN:978-4-911090-42-8 C0092
直接小社にお申込みいただくか、お近くの書店、
またはAmazonでのご購入が可能です。
詳細はこちらへ
「骨太で、野性的な、茫洋とした抒情が彼の本領であるようだ」。第一句集『おりいぶ』の序で、師・沢木欣一は飴山實の作風をこう評した。平明かつ懐深い句作を続けてきた飴山實の生前5冊の句集と、句集未収録作品を合わせ、計1829句収録の『飴山實全句集』が文庫判で再刊行。年譜、初句索引、季語索引付。
◆「新装版あとがき」より
一言でいえば飴山の俳句は語らない、ただ言葉が薫る。(中略)この「薫る言葉」の系譜をたどれば、まず安東次男、さらに加藤楸邨、そして芭蕉に行き着くだろう。芭蕉の俳句は同時代元禄の井原西鶴の浮世草子(今の小説)に対峙していた。俳句の世界でさえ言葉の風味を忘れて意味に翻弄される二十一世紀前半の今、『新装版 飴山實全句集』は、まさに一冊の涼風となるのではなかろうか。(長谷川 櫂)
◆跋より
私はこの俳人の動詞の使い方の神経の細やかさに、一句一句、目をみはる思いがした。動詞に神経が通っているということは、いうまでもなく、その動詞が関わりを持つ人や事物の動作、状態が寸分のゆるみもなく、観察され表現されているということであり、動きというものの微妙さ、面白さを実に大切にしているということだ。(大岡 信)
◆本書の内容
『おりいぶ』
『少長集』
『辛酉小雪』
『次の花』
『花浴び』
句集未収録作品
跋……大岡 信
新装版あとがき……長谷川 櫂
自筆年譜
年譜……飴山宮子 編
著作一覧……秋篠光広 編
初句索引
季語索引
<著者略歴>
飴山實(あめやま みのる)
1926年(昭和元年)12月29日 ~2000年(平成12年)3月16日。俳人、応用微生物学者。石川県小松市生まれ。第四高等学校を経て京都大学農学部卒。高校在学中より「風」に投句、1947年創刊「貨物列車」、翌年創刊の「楕円律」参加。戦後一時、社会性俳句の影響を受けるが、やがて季語を生かした句作を志す。1951年「風」同人、1975年頃から無所属。それ以前に安東次男を知り兄事。1993年より「朝日俳壇」選者(2000年まで)。句集に『おりいぶ』『少長集』『辛酉小雪』『次の花』『花浴び』、著書に『芝不器男伝』『定本芝不器男句集』『季語の散歩道』ほか。2000年3月、腎不全のため死去、享年73。
