朔の本

高野ムツオ著『語り継ぐいのちの俳句』

発行:2018年10月25日
装画:小池アミイゴ
装丁:間村俊一
四六判ソフトカバー 208頁
1980円(税込)
ISBN:978-4-908978-17-3 C0095


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7年にわたり震災を詠み続けた俳人が語る3・11の記録、言葉の力。

地震、津波、台風、洪水、豪雪、噴火――
古来日本は幾度となく自然災害に見舞われ、
そこから多くのことを学び、教訓としてきた。
本書は、第一線で活躍する俳人 高野ムツオが
東日本大震災後、7年にわたって書き、語り続けてきた
心揺さぶる言葉の数々を収録。
その深い思索とともに、
俳句に生きる力を得て立ち上がった人々の
「いのちの俳句」を今、未来へ贈る。


被災直後、無性に俳句が作りたくて仕方がなかった。
なぜ、俳句だったのだろうか。
おそらく、俳句を詠むことが自分の存在証明だったのだろう。
危機にあって、俳句の言葉の中に、
自分の鼓動する心臓、脈打つ血を再確認していたに違いない。
言葉で生(せい)を、自己存在を確認していたのだ。
これは決して私一人ではない。
被災した多くの人たちが俳句に生きる力を得ていた。
現在ただ今もそうである。
(あとがき より)


◆主な内容  

はじめに 被災地のいま  

第1章  震災1000日の足跡
芽吹く蘆に祖霊を見る/瞬間を切り取る詩、俳句/無名の力/俳句のこれから

第2章 1000日以後
「自然」と「人間」はどう詠われてきたか/「言葉の力」のありか/みちのくの虫たちと俳句
津波に消えた句会/時間の止まった町/狼からのメッセージ

 第3章 震災詠100句 自句自解
平成23年~29年の7年間の作品から自選100句を自解


<著者略歴>
1947年、宮城県生まれ。阿部みどり女、金子兜太、佐藤鬼房に俳句指導を受ける。
2002年、鬼房の意を受けて俳誌「小熊座」主宰を継承。
2014年、第五句集『萬の翅』により第65回読売文学賞(詩歌俳句賞)、第48回蛇笏賞、第6回小野市詩歌文学賞を受賞。
その他の句集に『陽炎の家』『鳥柱』『雲雀の血』『蟲の王』『片翅』、著書に『時代を生きた名句』がある。
現在、蛇笏賞選考委員、河北俳壇選者。宮城県多賀城市在住。

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