朔の本

句集『ゼロ・ポイント』書評・記事

句集『ゼロ・ポイント』が4月4日の上毛新聞で紹介されました。

俳句の世界に足を踏み入れたのは10年前、上毛俳壇で選者を務める木暮陶句郎さんとの出会いがきっかけだった。身の回りにあふれる言葉を17音にまとめ、読み手の想像力をかき立てる俳句の魅力を知り、捜索に励んできた。現在は、木暮さんが主宰するひろそ火の編集長を務めるまでになった。

本書に掲載されているのは、身近な季語を詠んだ「母の日や母の役目はまだ知らず」や竹久夢二が愛した榛名湖畔の花野を訪れた際の「引き返すこと赦(ゆる)されし花野径」など。

 杉山さんによると、物質を構成する素粒子が生れる場所を意味する「ゼロ・ポイント」を句集のタイトルに採用し、物事の始まりをイメージした。作句する自身の立ち位置と重ね合わせたほか、知識や経験にとらわれず、対象を見つめようという激励の意味を込める。

俳句を始めてから、天気や匂い、音などの捉え方が変わった。「余計な言葉をそぎ落とし、写真のように一瞬を切り取る。見方が変わるだけで毎日が発見の連続」と眼を輝かせる。

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