朔の本

神野紗希句集『すみれそよぐ』

発行:2020年11月9日
装丁:水戸部功
四六判仮フランス装 196頁 2200円(税込)
ISBN:978-4-908978-55-5 C0092


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「どうか、生きよ。」
躍動する30代の実感と、小さな命への祈りを込めた最新句集!

若手俳人のトップランナーとして句作・評論に輝く著者の8年ぶりの第三句集。結婚、妊娠・出産・子育てという女性として最も変化に富む時期を切り取った作品は、躍動感あふれる一方で、寂寥感をも垣間見せ、一層趣き深い。


◆帯文より

すみれそよぐ生後0日目の寝息 

時代を案じながら命を見つめる怒濤の日々のただなか、
俳句は今を生きる言葉だと、つくづく思う。
どうか、生きよ。
子に、蟻に、燕に、私に、呼びかけながら句を作る。(神野紗希)


◆作品抄12句

水脈も葉脈も春てのひらも
闇濡れる菫直径一光年
細胞の全部が私さくら咲く
透明なものさしわたむしとわたし
星空は無音の瀑布鯨飛ぶ
母乳ってたんぽぽの色雲は春
産み終えて涼しい切株の気持ち
西瓜切る少年兵のいない国
永遠とポップコーンと冬銀河
眠れない子と月へ吹くしゃぼん玉
檸檬切る記憶の輪郭はひかり
君生まれ此の世にぎやか竜の玉


<著者略歴>
神野紗希(こうの さき)
1983年、愛媛県松山市生まれ。
高校時代、俳句甲子園をきっかけに俳句を始める。
2002年、第1回芝不器男俳句新人賞 坪内稔典奨励賞受賞。
2003年 第一句集『星の地図』(マルコボ.コム)刊。
2004年から6年間、NHK「俳句王国」司会を担当。
2011年 第二句集『光まみれの蜂』(角川書店)刊。
2015年より、現代俳句協会青年部長。
2018年、『日めくり子規・漱石 俳句でめぐる365日』(愛媛新聞社)により第34回愛媛出版文化賞大賞受賞。
2019年、第11回桂信子賞受賞。
著書に『女の俳句』(ふらんす堂)、『もう泣かない電気毛布は裏切らない』(日本経済新聞出版社)、『初心者にやさしい俳句の練習帳』(池田書店)など。

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