朔の本
遠藤由樹子句集『寝息と梟』

発行:2021年5月1日
			    装丁:奥村靫正/TSTJ
			    装画:星野絢香
			    四六判上製 216頁 
			    定価:2860円(税込)
ISBN:978-4-908978-61-6 C0092
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角川俳句賞受賞から6年。受賞作「単純なひかり」を含む平成22年から令和2年までの375 句を収録。透明な響きと、深遠なる慈しみを湛えた11 年ぶり、待望の第二句集!
◆帯文より
血を分けし者の寝息と梟と
日々の中で、何らかの対象を慈しむ気持ちが募る瞬間がある。その慈しむという感情を言葉にして残したいというささやかな衝動に駆られて、私は俳句を詠んできた。自分の俳句は、大切な何かを守りたいという気持ちの表れなのかもしれない。(遠藤由樹子)
◆自選12句
単純なひかりがここに草若し
			    抱卵の鶴に寄りそふ鶴しづか
			    紫陽花のいま孵化したてなる青さ
			    夏空を音なき国と仰ぎけり
			    雨を縫ふ緋鯉となりて戻られよ
			    生者らのさくさく崩すかき氷
			    秋の風鈴まるで初めて鳴るやうに
			    崖あらば崖に立ちたし鳥渡る
			    わが一世鯨の一世銀杏散る
			    神楽てふ一夜の舟に乗り合はす
			    白鳥が雪の窪みに憩ひをる
		      熊と熊抱き合へばよく眠れさう
<著者略歴>
		    遠藤由樹子(えんどう ゆきこ)
		    1957 年(昭和32 年)、東京生まれ。
		    2001 年、俳誌「未来図」に入会、鍵和田秞子に師事。
		    2010 年、第一句集『濾過』(角川書店)刊行。
		    2015 年、「単純なひかり」50句により第61 回角川俳句賞受賞。
		    2019 年、「未来図」を退会し、現在無所属。
		    2021 年2 月より、角川「俳句」の巻頭カラーに「今月の季語」連載中。
	      公益社団法人俳人協会幹事。


