朔の本

杉山よし江句集『房州枇杷』

発行:2020年10月20日
序文:今井 聖
装丁:奥村靫正/TSTJ
四六判上製クロス製 200頁 2420円(税込)
ISBN:978-4-908978-53-1 C0092


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時にクールで、時にユーモラス。

俳句的情趣にとらわれず、句歴30年の実力を素直な感性で発揮する「街」同人の初句集。句集名は故郷の名産・枇杷の句に拠り、房州の海辺の暮らしを詠った句が印象深い。枇杷色に輝く装丁も目を引く一集。


◆帯文より

俳句の従来的な情趣は、ものを見たり感じたりする僕らのアタマを、季語の本意やありきたりのロマンの中に固定させようとする。日常の中にある僕らの瞬間の感覚のリアルをよし江さんの句は思い起こさせてくれる。(今井 聖)


◆自選10句

初蝶の草に沈んでゐる時間
茎立ちてほがらかな隙生まれけり
目高明るし身の丈の糞を曳き
十の字に涼しく川の合ふところ
蟬殻の見つかるやうに幹にあり
後ろ向きに上がるプールの監視台
霧の夜の屋根に忙しく動くもの
七五三の祓酸素を送る音
綿虫翔たす唇で押すやうに
風花や退く海に見し五郎太(ごろた)


<著者略歴>
杉山よし江(すぎやま よしえ)
1943年10月、千葉県生まれ。
1980年代半ばより加藤楸邨選「寒雷」に投句を始める。
小檜山繁子代表「槌」、大坪重治代表「ぽお」、中村和弘主宰「陸」を経て、2010年、今井聖主宰「街」に入会。
現在、「街」同人、俳人協会会員。

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